忘却バッテリーは、最強バッテリーの頭脳である捕手が記憶を失い、バッテリーがまるごと野球部のない学校に入学するという一風変わった設定の作品です。
その内容は、高校野球を舞台とした人間物語。元最強バッテリーのふたりを中心にして、登場人物たちの挫折や成長が描かれています。
画像引用元:https://animestore.docomo.ne.jp/
物語の設定
中学時代、対戦相手を絶望させ、時には野球選手としての引退に追い込んだ清峰・要のバッテリー。
あることをきっかけに要が記憶を失い、野球のことも忘れてしまいます。
ふたりには高校進学に伴って多くの推薦も来ていましたが、すべて断ります。そして、野球部のない県立高校に進学します。
そこには最強バッテリーに出会ったことをきっかけに野球を辞めることを選び、あえて野球部のない学校を選んだ相手との出会いがありました。
登場人物の特徴
清峰葉流火
プライドが高く負けず嫌い。口数は少ないが自分の考えをそのまま言葉にしてしまうので相手を苛立たせることも。
野球にとにかく真剣で、言葉の重みが強い。
プライドが高く負けず嫌いであるが、努力してきた相手を認める素直さも持っている。
要圭
野球に記憶を失ったおちゃらけキャラ。空気を読まずに下ネタを言ったりと空気をぶち壊すのが得意。
彼のおかげで重い空気になりそうな重要な会話でも笑い話になってしまうほど。
言動とは裏腹に相手想いの面もある。記憶を失っても分析力は失われておらず、思わぬアドバイスをすることも。
藤堂葵
口調は荒いが真っすぐで野球に真剣。清峰・要バッテリーとの試合をきっかけにイップスになり、野球を諦めるために野球部のない県立高校に進学。だけど本心は野球を辞めたくない。
そんな藤堂は新たな出会いで野球を始めるきっかけを手にします。野球から目を背けようとしていた藤堂が野球と向き合えるようになり、楽しそうに野球をしていく姿は胸熱です。
千早瞬平
知将・要圭が復活するまでの知将。
言い方が挑発的ですが、実力がありどこか憎めない部分も。
山田太郎
才能のない凡人と見せかけた努力の天才。そのひたむきさや献身さはチームにとってもプラスに。
最初は語り目線の傍観キャラだと思っていましたが、徐々に存在感を増していきます。特に藤堂がイップスを乗り越える練習をしたときの守備と声掛けは鳥肌モノ。
各話感想
第1話「思い出させてやるよ」
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清峰は野球の記憶を失った要を野球に誘います。「汚い」「臭い」と文句を並べる要。
普通の作品なら「よしやってみよう!」となるところを子供みたいな理由で断って思わず笑ってしまいます。
第2話「一緒にやる?」
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藤堂葵と千早瞬平が登場。清峰と要がいることに驚きます。
誘われて一度は断るも、なんだかんだで要や清宮のペースに巻き込まれて座席に立つふたり。
「一緒にやる?」と聞かれて断るものの本気で嫌がっている様子は見られませんでした。
第3話「だから、なんだ」
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封印していた野球の道具を発掘する藤堂と千早。口では文句を言っていますが、身体は正直。練習に参加するようになります。
そんなある日、帝徳高校から試合の申込みが入ります。そこは4人が推薦を受けていた学校。あったかもしれない未来のグラウンドに足を踏み入れます。
第4話「容赦しないよ」
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帝徳高校との試合をします。初回こそ奮闘するも、ファールチップを顔面に受けた要がまともにボールを捕球できなくなります。
清峰が全力投球をできなくなり、打ち込まれて完敗します。
第5話「辞めたきっかけの」
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帝徳高校との試合で惨敗した一同。負けたのは自分のせいだと責める要。
おちゃらけながらもその気持は本物で、少しずつ野球に向き合い始めます。
一度は推薦を断った4人ですが、改めてスカウトされて転校するか悩みます。
第6話「やる!!」
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要の要望で藤堂の家に集まって勉強会をする一同。
おちゃらながらも野球の話をする回……かと思いきや語られるのは藤堂がイップスだという事実。
野球に真剣だった彼が抱えている苦しさが伝わってきます。
第7話「面白いやつら」
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ショートを諦めようとする藤堂。それを阻止しようとする現チームメイト。
過去にショートを諦めろと言われた藤堂が、「ショートは藤堂だろ」と全肯定される場面は鳥肌が立ちました。
第8話「3次元の野球はちょっと…」
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イップスを克服して練習に熱の入る藤堂。あまりのキツさで逃げ出した要が出会ったのは、センターをやっていた野球経験者の土屋。
野球を辞めた土屋が説得され、一度は諦めた野球を楽しそうにやっていくのが
魅力的でした。
一度は野球を辞めたけれど、野球のことを嫌いになっていなくて本当によかった。
第9話「誰に向かって口きいてんだ」
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冗談で催眠術をかけたら記憶が戻った要。そのカリスマ力は圧倒的。野球部の空気が変わ本気の練習が始まります。
第10話「逃げられない」
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知将モードになった要が試合を引っ張り先制点を呼び込みます。ですがそんな夢のような時間は長くは続かず、再び記憶をうしなった要。知将モードで脳のストレスが半端なかったのかもしれません。
一方で千早の過去に触れられる場面も。野球をやめた理由が明らかになっていきそうです。
第11話「俺は嘘つきだ」
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相手の努力を否定してしまったのが千早が野球を辞めた要因でした。フィジカルという壁にぶちあたり、相手の努力を見る余裕を失っていた千早。
過去の自分を乗り越えるために、最後はチームメイトに試合を託す選択をします。
第12話「嫌だったか」
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過去を乗り越え、本気で野球を楽しめるようになった千早と要。要の知将時代の心の辛さも語られ、野球の記憶を失ったことにも納得できました。
まとめ
忘却バッテリーは、記憶を失った最強バッテリーの捕手を中心として、人間ドラマと青春の詰まった作品です。
忘却されたのは記憶ではなく、試合で出会い絶望した相手選手たちの過去。つらい過去を乗り越え、前に進もうとする姿に心を打たれます。
野球シーンの描写も丁寧で、野球好きにもぜひ見てほしい作品です。特に7話の山田の捕球シーンは最高です。
キャスト
清峰葉流火:増田俊樹
要 圭:宮野真守
藤堂 葵:阿座上洋平
千早瞬平:島﨑信長
山田太郎:梶 裕貴
土屋和季:山谷祥生
国都英一郎:大塚剛央
巻田広伸:石井マーク
桐島秋斗:河西健吾